緩和治療2

今日は、とても良い天気ですね。久しぶりに気持ち良いです!

山田です。おはようございます。

さて、昨日に続き緩和治療のお話です。

皆様、ある日突然、「あなたは末期ガンです。後3ヶ月の命です」
と宣告されたらどうしますか?

家族と思い出作り、友達を呼んでパーティー、読みたかった本を読む、母校へ行く、旅行へ行く・・・いろいろな思いがあると思いますが、3ヶ月の間、痛みや苦しみがあっては、こうした思いは遂げられない事になります。

ある男性の実話です。

その男性は元中学校長。長い教師生活の間、多くの教え子を世に送りました。
退職して3年後。痛みと吐き気が襲い、急遽、病院で検査。
原因が分からず、2件目の病院でやっと原因が分かりました。

「すい臓ガン。あと3ヶ月の命です」

気丈にもその男性は3ヶ月後も、生きていました。現代医学の全てを1年間行いました。無常にもガンは進行する一方、それでも、その男性は生きていました。

宣告から1年後、男性は小金井にあるホスピスにいました。
自然豊かで、ホテルのラウンジの様な落ち着いたホスピスでした。

男性はこのホスピスで約1年を過ごしました。
家族との温泉旅行、愛犬との病室生活、賛美歌に涙したクリスマスパーティー、友人たちとのマージャン、お花見。
妻や子供たちとも語り合いました。

ホスピスで一番大切な事。患者さんの痛みや苦しみを緩和すること。男性は寝たきりのこともありましたが、多くの時間をやりたかった事に使いました。

平成13年11月・・・故郷の八ヶ岳を見に行きました。高校生まで過ごした故郷。美しい山々。

その一ヵ月後、男性は亡くなりました。

緩和治療は、人間が人間らしく、最後まで過ごす、素晴らしい医療です。
男性は緩和治療によって救われました。本当に素晴らしいホスピスでした。

実は、その男性は私の父です。実話です・・・