特集:癌について考えてみましょう その6

★ガンは、とても執念深い変異細胞です。細胞を増やす段階で、栄養が足りないと、自分で血管を作り、本来ある血管と結合させます。突貫工事で作られた血管により栄養を得て、更に肥大化させようとします。
 まるで意志があるかの様ですね。

★今、着目されている治療法は、この血管を作らせない様にすることです。突貫工事ができない状況を作り上げれば、ガン細胞は栄養不足となります。ガン細胞は、その人の生命が失われれば、生きていけない細胞です。Aさんのガン細胞をBさんに転移させても、Bさんの身体では生きていけない細胞です。
 つまりは、その人から栄養を取れなければ生きていけない、その人が作る変異細胞です。一蓮托生細胞。

★ところで、ガンになった人、特に、レベル4以上の場合、医者が「余命何ヶ月」という事を言う場合があります。私の父はすい臓ガンでしたが、教科書通り「余命3ヶ月」と言われました。

★父が宣告を受けて、その後2年生きていた事を考えると、「余命・・・ヶ月」という宣告に意味があるでしょうか? 幸い、父は気丈なタイプなのか気にしないのか、「余命3ヶ月」という宣告に対し、一日一日を大切に生きました。宣告なくしては、味わえない生きる充実感。これを2年間過ごした人はそうはいないと思います。

★しかし、私の父の様なタイプばかりではありません。「余命・・・ヶ月」という言葉が重くのしかかり、気持ちの切り替えができず、最後を迎える人もいます。これは残念ですね。

★そもそも医者の言う「余命・・・ヶ月」という言葉には、何の信憑性もありません。すい臓がんの場合、3ヶ月ももたないケースがほとんどという見解は、その通りかもしれませんが、医者がしっかりとデータを取っているのかは疑問です。教科書通りの見解なのです。

★あの「余命・・・ヶ月」という言い方、他に考えられないでしょうか? 天気予報の様に「余命確率・・%」なんて、ちょっと機械的で嫌ですね。

★例えば、こんな例があります。「この病気にかかると90%の人が死にます」「この病気にかかると100人中10人は生き残る事ができます。」どちらも同じ事を言っていますが、皆さんだったらどちらの言い方が良い印象でしょうか?

★「余命・・・ヶ月」という言い方は全ての希望を失いかねない言い方だと思うのです。たとえ、同じ事を伝えるにしても言い方によって、希望にもなり絶望にもなります。医師の皆さん! 患者さんには希望を与えて下さい。現実を伝えることも大切なことですが、希望ある現実にするのも医師の役割と思いますが、皆さんはいかがでしょうか?