特集:癌について考えてみましょう その11

今日はヨーロッパ中世のお話し・・・

人間は、病気でどうしようもない最後の状況になると、宗教的、心の領域に入る事が多くあります。

★ヨーロッパの中世にこんなデータがあります。 
 「あなたは霊がこの世に存在すると思いますか?」

★さてこのブログを読んで頂いている皆さんの答えは何でしょうか?

★中世ヨーロッパで想像すること。「ギリチン」「ゴシック調の建物」「ロウソク」など、霊でも出てきそうな、ディズニーランドのホーテッドマンションの様な雰囲気を思い浮かべませんか? 

★それに対して、現代はデジタルの時代。最先端のコンピューター、テクノロジー。とても霊からは遠い世の中になっています。

★しかし、アンケートは興味深い結果を残しています。中世のヨーロッパの時代に霊を信じる人は10数パーセント程度。それに対して現代では60%の人が霊の存在を信じています。

★ここでは霊が存在するか否かを論破するのではなく、このアンケートの結果の違いを分析したいと思います。

★私たち日本人は、大変、便利な生活をしています。中世ヨーロッパの時代には、洗濯機もなければ、掃除機もない、テレビもないわけで、極めて現実的で、アナログな生活です。それに対して、実は私達はバーチャルな生活に慣れています。

★テレビの画像がバーシャルでリアルな世界。食べたいものがあれば、何でも加工されていて、ほとんどの人が肉を食べるのに、いちいち、鳥を殺してから食べたりはしないのが現状です。便利な世の中、人任せな世の中は、バーシャルな霊を想像させるのかもしれません。

★「バーチャルな世界への想像力が養われているからいいじゃないか」という声も聞こえてきそうです。アニメの宮崎駿監督が興味深いコメントを残しています。

「今、アニメ会は、高齢化に悩まされています。若い人が育たない。子供の頃に、自然の中で生活していないのでリアルな世界を知らない。バーチャルな世界を描くには、極めて現実的な世界を知らないと描けない」

さて、今日はガンの話題から遠ざかりましたが、今日のテーマは「病気をどの様に捉えるか」現代人の気質が問われる話題なのです。ガンのリアルな世界をどう見るか、どう分析するか、これは医者の仕事ではありません。生きている全ての人の問題でもあります。

 ガンを現実的に、そして創造的に捉えるにはどうしたら良いか、一人一人の価値観が問われます。